初めての海外で一番緊張する場面の1つが、到着直後の入国審査です。質問は英語で、内容は決して難しくありませんが、飛行機を降りた直後の疲れと緊張で、知っているはずの英語が出てこなくなる人は少なくありません。この記事は、入国審査の「英語の受け答え」だけに絞った例文集です。
手続き全体の流れ(eTravelの登録手順、入国条件、持ち物、到着初日の動き)は既存の記事で解説しているため、この記事では繰り返しません。代わりに、審査官に何を聞かれ、どう答えれば制度に沿った正しい受け答えになるのかを、例文と一緒に整理します。大前提は1つだけです。答えは正直に、短く、eTravelの申告内容と一致させること。取り繕った答えは、かえって質問を増やします。
結論:正直に、短く、申告と一致させる
フィリピンの入国審査の英語は、難しい英語力ではなく「正直に、短く、eTravelの申告と一致した答え」で足ります。日本人は観光目的であれば30日以内はビザなしで入国でき、語学留学の場合は入国後に学校経由でSSP(特別就学許可)を取得して学ぶ仕組みです。だから滞在目的を聞かれたら、英語を学びに来たことを隠さず、学校名と期間を短く答えられる準備が正解です。聞き取れないときの言い方と、提示を求められても慌てない書類の準備まで含めて、この記事で一通りそろいます。
この記事でわかること
- 滞在目的の答え方を、30日のビザ免除とSSPの制度から理解できる
- 頻出質問6つへの例文回答(目的・期間・滞在先・帰国便・職業・渡航歴)
- 聞き取れないときに使える、失礼にならない言い方
- 審査の場で手元に用意しておく書類の一覧
- やってはいけない受け答え(虚偽の申告、申告との不一致)
紹介料についての開示
留学生のミカタは、フィリピン・セブ島留学専門の留学エージェントです。当サービスは学校から紹介料を受け取ることで運営しており、お客様から手数料はいただいていません(手数料0円)。この記事の入国制度に関する記述は、外務省、在日フィリピン大使館、フィリピン入国管理局の公開情報と、当サイトの既存記事で検証した内容に基づきます。制度は変更されることがあるため、出発前に最新の公式情報をご確認ください。
目次
まず制度を理解する:30日のビザ免除とSSPの関係
例文の前に、答え方の土台になる制度を押さえます。ここを理解していないと、「目的は観光と答えるべきか、勉強と答えるべきか」で混乱します。
入国は「観光目的の30日以内の滞在」として許可される
外務省の案内では、日本国籍の人は、観光や商用目的で30日間以内の滞在であれば、事前に査証(ビザ)を取得する必要はなく、入国時に30日間有効の滞在許可が付与されます。在日フィリピン大使館の案内では、入国の条件として、有効な往復航空券または第三国へ出国する航空券を所持していること、パスポートの有効期限が滞在日数に6か月を加えた期間以上あることが挙げられています。あわせて、eTravelへの登録と、出国が確認できる航空券の提示が案内されています(外務省)。
就学の許可は、入国とは別にSSPで得る
一方で、フィリピンで学ぶこと自体の許可は、入国の許可とは別です。学位や単位の取得を目的とする留学には学生ビザが、短期の語学留学などの滞在では、入国管理局が発行する特別就学許可(SSP:Special Study Permit)が必要と案内されています(外務省)。フィリピン入国管理局の公開資料でも、SSPは、学位課程ではないコースや英語プログラムなどに在籍する外国人に発行される許可として説明されています。実務上、SSPの申請は、到着後に語学学校が手続きを代行する形が一般的で、当サイトの既存記事(現地諸費用の記事)でも、SSPは学校経由で取得する仕組みとして整理しています。
だから、目的の答え方はこうなる
この2段構造を踏まえると、入国審査での答え方はシンプルです。入国の形は観光目的の短期滞在許可であり、そのうえで、英語を学ぶために来た事実は隠す必要がありません。審査官に滞在目的を聞かれたら、英語学習が目的であることを正直に短く伝え、学校名と滞在期間を答えます。「観光だけ」と事実と違う答えをする必要はありませんし、逆に制度の説明を長々とする必要もありません。答えは、eTravelに申告した内容(目的、滞在先、期間)と一致させます。申告と口頭の答えが食い違うと、その差を説明するために質問が増えます。
なお、入国審査で実際に何を聞かれるかは、審査官と当日の状況によって変わります。質問がほとんどなく、スタンプだけで終わることもあります。この記事の例文は「聞かれた場合に困らないための準備」として使ってください。
頻出質問と例文回答:目的・期間・滞在先
ここからは、入国審査で聞かれることの多い質問と、答え方の例文です。例文は、完璧な文法で長く話すためのものではありません。審査の場では、短く、はっきりと、申告内容どおりに答えることが最も伝わります。学校名や日付は、自分の実際の内容に置き換えて練習してください。
質問1:滞在目的
聞かれ方:What is the purpose of your visit?(訪問の目的は何ですか)/ Why did you come to the Philippines?(なぜフィリピンに来ましたか)
例文回答:I came to study English in Cebu.(セブで英語を学ぶために来ました)/ I will study English at a language school in Cebu for four weeks.(セブの語学学校で4週間、英語を学びます)
ポイント:学校名を聞かれたら、そのまま答えられるようにしておきます。学校の正式名称は、入学許可の書類に記載された表記で覚えてください。SSPについては、聞かれなければ自分から説明を始める必要はありません。聞かれた場合は、The school will arrange my SSP after arrival.(SSPは到着後、学校が手続きします)と短く答えます。
質問2:滞在期間
聞かれ方:How long will you stay?(どのくらい滞在しますか)/ When will you leave?(いつ出国しますか)
例文回答:Four weeks.(4週間です)/ I will stay for four weeks. My flight back to Japan is on (日付).(4週間滞在します。日本への帰国便は(日付)です)
ポイント:期間は、eTravelの申告と帰国便の日程と一致させます。「だいたい1か月くらい」のような曖昧な答えは避け、週数か日付で答えます。期間の言い方は、Four weeks. のように短い形でも十分伝わります。
質問3:滞在先
聞かれ方:Where will you stay?(どこに滞在しますか)/ What is the address of your hotel?(宿泊先の住所は何ですか)
例文回答:I will stay at my school dormitory in Cebu City.(セブ市の学校の寮に滞在します)/ At (学校名) dormitory. Here is the address.((学校名)の寮です。住所はこちらです)
ポイント:寮の住所は、暗記に頼らず、スマートフォンのメモや印刷した書類で示せるようにします。住所を示す行為は失礼には当たりません。むしろ、口頭で間違えるより正確です。滞在先はeTravelの申告欄にも書く内容なので、申告した表記とそろえておいてください。
頻出質問と例文回答:帰国便・職業・渡航歴
質問4:帰国便(出国の航空券)
聞かれ方:Do you have a return ticket?(帰りの航空券はありますか)/ Show me your return ticket.(帰りの航空券を見せてください)
例文回答:Yes. Here is my return ticket.(はい。帰りの航空券はこちらです)/ Yes, I have a flight back to Japan on (日付).(はい、(日付)に日本へ戻る便があります)
ポイント:ビザなしで入国する場合、出国が確認できる航空券の所持は入国の条件として案内されています。航空券の控え(スマートフォンの画面や印刷)は、パスポートと一緒にすぐ出せる場所に置いてください。提示を求められる場面は審査だけとは限らず、日本の出発空港のチェックインでも確認されることがあります。航空券の選び方自体はセブ島への行き方ガイドで解説しています。
質問5:職業・身分
聞かれ方:What do you do?(仕事は何ですか)/ What is your occupation?(職業は何ですか)
例文回答:I am a university student in Japan.(日本の大学生です)/ I work for a company in Japan.(日本の会社で働いています)/ I am a high school student.(高校生です)
ポイント:事実をそのまま短く答えます。学生なら student、社会人なら会社勤めであることを一言で伝えます。詳しい仕事内容まで説明する必要はありません。ここで大切なのは、働くために来たのではないことが伝わる答えにすることです。フィリピンで就労することと、学ぶことは別の許可です。就労と取れる表現(現地で仕事を探す、など)は、事実でない限り口にしないでください。
質問6:渡航歴・同行者
聞かれ方:Is this your first time in the Philippines?(フィリピンは初めてですか)/ Are you traveling alone?(1人で旅行していますか)
例文回答:Yes, this is my first time.(はい、初めてです)/ No, I came here last year.(いいえ、去年も来ました)/ Yes, I am traveling alone.(はい、1人です)
ポイント:はい・いいえと短い補足で足ります。申告内容やパスポートの出入国記録と食い違う答えをしないことが大切です。以前の渡航がある場合は、時期を聞かれることもあるため、おおよその年月を思い出せるようにしておくと安心です。
例文の使い方
例文は丸暗記ではなく、自分の学校名、期間、日付に置き換えた「自分の答え」として出発前に声に出して練習してください。審査の場で必要なのは、流暢さではなく、止まらずに短く答えられることです。答えに使う情報(学校名、寮の住所、帰国日)は、すべてeTravelの申告とそろえることが前提です。eTravelの登録自体はeTravelの登録手順で画面つきで解説しています。
聞き取れないときの言い方:黙らずに伝える
質問が聞き取れないことは、英語力の欠点ではありません。審査の場は騒がしく、審査官の話し方にも個人差があります。分からないまま曖昧に答える方が、結果として質問を長引かせます。聞き返しは、正当な行為です。使える言い方を、場面別に整理します。
もう一度、ゆっくり言ってもらう
- Sorry, could you say that again, please?(すみません、もう一度言ってもらえますか)
- Could you speak slowly, please?(ゆっくり話してもらえますか)
- Sorry, I did not understand. One more time, please.(すみません、分かりませんでした。もう一度お願いします)
意味を確認する・書いてもらう
- Do you mean how long I will stay?(滞在期間のことですか、のように、聞き取れた部分で確認する)
- Could you write it down, please?(書いてもらえますか)
- My English is not good. Please speak simply.(英語が得意ではありません。簡単な言葉でお願いします)
ポイントは、黙り込まないことです。Sorry. と一言添えてから聞き返すと、失礼にはなりません。ジェスチャーで書類を示しながら答えるのも有効です。どうしてもやり取りが難しい場合は、学校の緊急連絡先や、到着後の迎えの担当者に連絡できるよう、連絡先を手元に置いておきます。到着当日の動き全体はセブ到着初日ガイドで確認してください。
なお、審査官の質問に日本語で答え返す必要はありませんし、通訳を期待できる場面でもありません。上の言い方を2つか3つ覚えておくだけで、ほとんどの聞き取りの詰まりは解けます。
手元に用意しておく書類:提示に慌てない準備
入国審査は口頭の受け答えだけではありません。提示を求められたときにすぐ出せることが、審査を短く終えるコツです。以下のものを、機内持ち込みの手荷物の、パスポートと同じ場所にまとめておきます。書類の全体像と持ち物の詳細はフィリピン留学の入国条件と持ち物で確認してください。この記事では、審査の場で使うものに絞ります。
- パスポート:有効期限が滞在日数に6か月を加えた期間以上あるものを用意します(在日フィリピン大使館の案内)。
- 出国が確認できる航空券の控え:帰国便または第三国への航空券。画面と印刷の両方があると確実です。
- eTravelの登録完了画面(QRコード等):登録内容は、口頭の答えと一致させる前提で確認しておきます。
- 学校の入学許可や受入を示す書類:学校名と期間の確認に使えます。目的を聞かれたときの裏付けにもなります。
- 滞在先(寮)の住所メモ:住所を口頭で言い切る必要はなく、示せれば十分です。
- 学校や担当者の連絡先:到着後に連絡が必要になった場合に使います。
書類は「求められたら出す」ものです。審査官の前に進んだら、聞かれたことに答え、求められたものだけを出します。最初から全書類を広げる必要はありません。落ち着いて1つずつ出す方が、結果として早く終わります。
30日を超えるコースの場合の注意
滞在が30日を超えるコースでは、入国後に滞在の延長手続きが必要になりますし、就学にはSSPも必要です。ただし、入国の時点では、ビザなし入国の条件である「出国が確認できる航空券」が案内されている点に注意が必要です。長期コースで航空券をどう用意するかは、学校の案内とあわせて、申込の段階で確認しておく項目です。個別の事情で取り扱いが変わる可能性があるため、この記事では一律の答え方は示しません(要確認:長期コースにおける入国時の航空券の扱いは、学校経由で事前に確認してください)。現地での延長と諸費用の仕組みは、現地諸費用の記事で整理しています。
やってはいけない受け答え
最後に、避けるべき受け答えを明確にしておきます。いずれも「審査を通りやすくするテクニック」ではなく、事実に反する行為や、誤解を招く行為です。
- 事実と違う目的を答えること。英語を学びに来たのに、聞かれたときに別の目的を作って答える必要はありません。虚偽の申告はしないでください。
- eTravelの申告と違う内容を口頭で答えること。期間、滞在先、目的の食い違いは、追加の質問と確認を招きます。申告前に内容を確定し、答えをそろえます。
- 帰国便がないのに、あるように答えること。出国の航空券は入国の条件として案内されています。用意できない事情がある場合は、出発前に学校へ相談してください。
- 就労と取れる表現を使うこと。学ぶための滞在と、働くための滞在は許可が別です。現地で仕事を探すといった表現は、事実でない限り使いません。
- 分からないのに分かったふりをして答えること。曖昧な受け答えは食い違いの原因です。聞き返しの言い方を使って確認してください。
追加の確認を求められても、慌てる必要はない
場合によっては、その場ですべてが終わらず、別のカウンターで改めて確認を受けたり、書類を詳しく見られたりすることがあります。これは珍しいことではなく、申告内容の確認のための通常の手続きの一環として行われることがあります。追加の確認になった場合も、やることは同じです。目的、期間、滞在先を、申告どおりに正直に答え、求められた書類を1つずつ提示します。分からない質問は聞き返し、答えられないことは「確認します」と伝えて、学校の連絡先を示せるようにしておきます。ここで事実と違う取り繕いをすると、確認が長引く原因になります。追加の確認は「落とされた」こととは違います。落ち着いて同じ受け答えを繰り返すことが、最も早く終わらせる方法です。
逆に言えば、正直に、短く、申告どおりに答え、書類を示せる状態にしておけば、入国審査で特別なことは起きません。質問が少ないまま終わることも多い場面です。必要以上に怖がらず、準備で解消できる不安は出発前に解消しておきましょう。
よくある質問
Q. 入国審査では、滞在目的を何と答えればいいですか?
英語を学びに来たことを、正直に短く答えます。例文は、I came to study English in Cebu.(セブで英語を学ぶために来ました)や、I will study English at a language school in Cebu for four weeks.(セブの語学学校で4週間学びます)です。制度としては、日本人は観光目的で30日以内はビザなしで入国でき、就学の許可は入国後に学校経由でSSP(特別就学許可)を取得する仕組みです。事実と違う目的を作って答える必要はありません。答えはeTravelの申告内容と一致させてください。
Q. 入国審査は全部英語ですか。英語が話せなくても大丈夫ですか?
やり取りは英語です。ただし、聞かれる内容は滞在目的、期間、滞在先、帰国便の有無など定型的なものが中心で、短い答えで足ります。学校名、期間、帰国日といった自分の情報を英語で言えるようにしておき、聞き取れないときは Could you say that again, please?(もう一度言ってもらえますか)と聞き返せば問題ありません。分からないまま答える方が、かえって質問が増えます。
Q. 帰国便(出国の航空券)は必ず必要ですか?
ビザなしで入国する場合、有効な往復航空券または第三国へ出国する航空券を所持していることが、在日フィリピン大使館によって入国の条件として案内されています。提示を求められることもあるため、航空券の控えはパスポートと一緒にすぐ出せる場所に置いてください。30日を超えるコースで航空券をどう用意するかは、申込の段階で学校に確認しておく項目です。
Q. SSPとは何ですか。入国審査で聞かれますか?
SSP(Special Study Permit)は、フィリピン入国管理局が発行する特別就学許可です。短期の語学留学など、学位課程ではないコースで学ぶ外国人に必要と案内されており、実務上は到着後に学校が申請を代行します。入国審査でSSPそのものを提示することは通常ありませんが、滞在目的の確認の中で就学について聞かれた場合は、The school will arrange my SSP after arrival.(SSPは到着後、学校が手続きします)と短く答えられます。
Q. 聞き取れなかったとき、どう言えばいいですか?
Sorry, could you say that again, please?(すみません、もう一度言ってもらえますか)、Could you speak slowly, please?(ゆっくり話してもらえますか)、Could you write it down, please?(書いてもらえますか)が使えます。聞き返すことは失礼には当たりません。黙り込んだり、分かったふりをして申告と違う答えをしたりする方が、結果として審査が長引きます。
Q. eTravelに書いた内容と違う答えをするとどうなりますか?
申告内容と口頭の答えが食い違うと、その差を確認するために質問が増え、審査に時間がかかることがあります。虚偽の申告はしてはいけません。出発前に、目的、期間、滞在先を確定させ、eTravelの申告と自分の答えをそろえておくことが、最も確実な対策です。申告の手順はeTravelの登録手順の記事で解説しています。
本記事の出典(いずれも2026年11月9日確認):外務省 海外安全ホームページ「フィリピン:安全対策基礎データ(査証、出入国審査等)」(観光・商用目的で30日間以内の滞在は査証不要、短期語学留学等には入国管理局発行のSSPが必要)http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbimmigration_013.html 、在日フィリピン大使館「無査証短期滞在」(往復または第三国への航空券の所持、パスポートの有効期限は滞在日数+6か月以上)https://tokyo.philembassy.net/ja/consular-section/services/visa/visa-free-entry-for-temporary-visits/ 、フィリピン入国管理局 Citizen's Charter(SSPは学位課程ではないコースや英語プログラム等に在籍する外国人への許可)https://immigration.gov.ph/wp-content/uploads/2026/10/71-MactanCebuImmigrationSatelliteOffice-CC2026-1stEdition-12Oct2026.pdf 、JASSO 海外留学情報(語学学校で勉強するにはSSPの申請が必要)https://ryugaku.jasso.go.jp/oversea_info/region/asia/philippines/info_ph_process.html 。制度は変更されることがあるため、出発前に最新の公式情報をご確認ください。
入国審査の答えは、出発前に自分の情報で作っておくと安心です。
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