「セブ島留学とマルタ留学、どっちがいいのか」で迷う人は少なくありません。どちらも英語が公用語に含まれる国で、イギリスやアメリカといった欧米の主要留学先より費用を抑えやすいため、候補に並びやすいからです。ただ、実際に比べてみると、違いは「どちらの国の方が良いか」ではなく、授業の形と費用の構造という、仕組みの部分にあります。この記事では、期間とコースの条件をそろえた費用試算と、学校の公式料金・政府の公式情報をもとに、判断に必要な違いだけを整理します。
先に線引きをしておきます。運営者はマルタへの渡航経験がありません。そのため、マルタ側の記述はすべて公開情報(学校の公式料金表と、マルタ政府・EUの公式情報)に基づくもので、現地の雰囲気を実体験のように書くことはしません。セブ側は、運営者自身の留学経験と、当サイトの既存記事で検証してきた情報をもとに書いています。情報の出どころが違うことを明示したうえで比べるのが、この記事の前提です。
結論:違いは「授業の形」と「費用の構造」
セブ島留学とマルタ留学の本質的な違いは2つです。1つ目は授業の形で、セブはマンツーマン授業が中心、マルタはグループ授業が中心です。2つ目は費用の構造で、セブは授業料・寮費・食費が学校費用にまとまっているのに対し、マルタは授業料と滞在費が分かれ、食費は基本的に別です。4週間・一般英語コース・2人部屋という条件をそろえた試算では、セブの学校費用は¥248,000〜(目安)に対し、マルタは大手校EC Maltaの公式料金で約39万円(食費を含みません)。どちらが優れているかではなく、「短期間で話す量を増やしたいか」「ヨーロッパでの滞在そのものに価値があるか」で選ぶのが正解です。
この記事でわかること
- セブとマルタの違いが一目で分かる結論比較表
- 条件をそろえた4週間の費用試算(マルタ側はEC Maltaの公式料金が根拠)
- マンツーマン中心とグループ中心、授業の形と英語環境の違い
- 90日を境に変わるマルタのビザと、現地で働ける条件
- タイプ別:どちらが向いているかの判断基準
紹介料についての開示
留学生のミカタは、フィリピン・セブ島留学専門の留学エージェントです。当サービスは学校から紹介料を受け取ることで運営しており、お客様から手数料はいただいていません(手数料0円)。当サービスが支援できるのはセブ島(フィリピン)留学のみで、マルタの学校との提携はありません。この記事のマルタ側の情報は、学校の公式料金と政府・EUの公式情報をもとに中立に整理したもので、マルタ側を不当に低く扱うことはしません。紹介料の有無によって、この記事の比較基準が変わることはありません。
結論:違いは「授業の形」と「費用の構造」
セブ島留学とマルタ留学は、どちらも「英語を学ぶための留学」ですが、学校の設計が違います。セブの語学学校は、マンツーマン授業を軸に、寮と食事を学校が用意する「滞在込み」の設計が標準です。生徒は学校の寮に住み、平日は朝から夕方まで授業を受ける生活が前提になっています。一方、マルタの語学学校はヨーロッパの語学学校の標準に近く、グループ授業を軸に、滞在は学校が手配するアパートやホームステイから選ぶ「授業と滞在が分かれた」設計が標準です。
この設計の違いが、そのまま費用の構造の違いになります。セブは「学校費用」という一つのまとまりで総額が見えやすいのに対し、マルタは授業料・滞在費・各種手数料を積み上げ、食費は自分で賄う形です。そのため、授業料の単価だけを比べて「マルタの方が少し高い」程度に読むと、実際の総額とのずれが大きくなります。比べるときは、必ず「何が含まれて、何が含まれないか」をそろえる必要があります。
なお、両者はどちらも「欧米の主要留学先より安い」という理由で候補に並びますが、安さの成り立ちは同じではありません。セブの費用の低さは、現地の人件費と滞在費の水準に、寮と食費をまとめるパッケージ構造が重なったものです。マルタの費用は、欧州の中では抑えめでも、授業料・滞在費・食費が分かれた構造の分だけ総額が読みにくく、膨らみやすい。この「安さの質」の違いが、次章の試算の差になって表れます。
選び方の結論はシンプルです。短い期間で英語を話す量を最大化したい人、費用の総額を抑えたい人はセブ。ヨーロッパに滞在すること自体に価値があり、多国籍のクラスメイトと学びたい人はマルタ。どちらか決めきれない場合は、まず次の結論比較表で全体像をつかみ、費用の章で条件をそろえた試算を確認してください。
結論比較表
主要な違いを1枚の表にまとめます。マルタ側の費用は、EC Malta「Price List 2026」(2026年11月9日確認)の料金で試算したものです。為替は1ユーロ=約176.6円(2026年11月9日時点)で換算しています。費用の前提条件と内訳は、次の章で説明します。
| 比較項目 | セブ島留学(フィリピン) | マルタ留学 |
|---|---|---|
| 授業の中心 | マンツーマン授業(1対1)が中心。代表コースはマンツーマン1日4コマ前後+グループ授業 | グループ授業が中心。EC Maltaの一般英語は平均11名・最大14名のクラス編成 |
| 授業量の例 | 1日を通して授業が組まれる設計(コースによりコマ数は異なる) | 一般英語20は週20レッスン=週15時間(1レッスン45分) |
| 4週間の学校関係費用 | ¥248,000〜(目安。授業料・寮費・食費を含む学校費用) | 約39万円(EC Malta公式料金で試算。授業料・滞在費・諸費用。食費は含まない) |
| 食事 | 学校費用に寮の食事が含まれるのが一般的 | 学生アパートは自炊が基本。ホームステイは朝食付き・2食付きも選べる |
| 日本からの移動 | 直行便あり(成田・関西から約5時間) | 直行便なし。乗継1回で最速約16時間40分〜 |
| 時差 | 日本より1時間遅れ | 日本より7時間(夏)〜8時間(冬)遅れ |
| 公用語 | 英語とフィリピノ語 | マルタ語と英語 |
| ビザ(語学留学) | 30日までビザ不要。SSP(特別就学許可)を学校経由で取得し、30日超は現地で延長 | 90日までビザ不要。90日を超えるコースは、出発前に学生ビザ(長期滞在ビザ)が必要 |
| 現地での就労 | 留学の滞在資格では不可 | 90日を超えるコースのみ、最初の90日経過後に週20時間まで可(雇用ライセンスが必要) |
| 気候 | 年間27〜30℃前後。雨季は6〜11月 | 地中海性気候。1月の最高気温は16℃前後、8月は32℃前後 |
| 学生の国籍の傾向 | アジア圏からの学生が中心 | EU圏内という立地から、ヨーロッパ各地の学生が集まりやすい |
| 長期滞在の手続き | 現地での延長手続きが中心(学校が代行するのが一般的) | 90日を超える場合は、出発前の学生ビザ申請が中心(本人が申請) |
| 通貨 | フィリピン・ペソ | ユーロ |
比較の土台についても明示しておきます。マルタ側の代表としてEC Maltaを使ったのは、同校が公式の料金表を公開しており、数字の出どころを検証できるためです。マルタには他にも大手校や中小の学校があり、料金とクラス人数は学校ごとに異なります。この記事の試算は「マルタ留学の費用構造を知るための代表例」であり、マルタの全学校にそのまま当てはまる数字ではありません。
表のうち、判断に最も効くのは「授業の中心」と「4週間の学校関係費用」の2行です。残りの行は、生活のしやすさや手続きの負担といった、続けやすさの差です。次章以降、費用・授業・ビザ・生活の順に根拠を説明します。
費用の違い:構造と、条件をそろえた試算
費用の差を正しく見るには、まず構造の違いを押さえる必要があります。セブの学校費用は、授業料・寮費・食費・校内サービスがまとまったパッケージ型です。対してマルタは、授業料と滞在費が別立てで、入学登録料や滞在手配料、教材費が項目ごとに加わり、食費は原則として自分で賄う分離型です。「授業料」だけを比べると分離型の方が安く見えることがありますが、総額では逆転します。
試算の前提をそろえます。期間は4週間、コースは一般英語(マルタは週20レッスン)、滞在は2人部屋相当、季節はローシーズン。航空券・海外旅行保険・現地での生活費は、両方とも含めていません。マルタ側は、大手校EC Maltaの公式料金表「Price List 2026」(2026年11月9日確認)に載っている定価を使います。
| 項目(4週間) | セブ島留学 | マルタ留学(EC Malta) |
|---|---|---|
| 授業料 | 学校費用に含む | €1,200(一般英語20:週€300×4週) |
| 滞在費 | 学校費用に含む(学校の寮) | €880(学生アパート2人部屋・共用バスルーム:週€220×4週) |
| 食費 | 学校費用に含む(寮の食事) | 含まない(自炊) |
| 入学登録料・滞在手配料・教材費 | 学校費用に含まれる範囲は学校による | €123(登録料€55+滞在手配料€40+教材費€7×4週) |
| 環境税(宿泊にかかる税) | ― | €5(1泊€0.50、上限€5) |
| 合計 | ¥248,000〜(目安) | €2,208 = 約39万円 |
セブ側の¥248,000〜は、当サービスが示す学校費用の目安であり、提携校の確定料金ではありません。内訳の見方はセブ島留学の費用まとめにまとめています。マルタ側は公式の定価での試算で、申込先によってはパッケージ割引が適用され、これより下がる場合があります(実際に、同じ条件で4週間€1,628というパッケージ提示例も確認しています)。一方で、ハイシーズン(授業は6月下旬〜8月下旬)には授業料へ週€25の追加料金がかかり、滞在費もハイシーズン料金になるため、時期によって差はさらに広がります。
マルタ側を「食事付き」に近づけた場合も見ておきます。滞在をホームステイの2人部屋・2食付き(週€250)に変えると、合計は€2,328=約41万円です。食費の心配は減りますが、セブの「学校費用に寮と食費が含まれる」構造との差は残ります。つまり両者の差は、学校の価格設定の巧拙ではなく、「どこまでが学校費用に含まれるか」という設計の差です。
長期ではどうかも見ておきます。12週間の場合、EC Maltaの一般英語20は長期料金が適用され、授業料は週€255(12〜23週の料金)×12週=€3,060になります。滞在費(学生アパート2人部屋、ローシーズン週€220)×12週=€2,640、入学登録料€55、滞在手配料€40、環境税€5を合わせると、教材費を除いて€5,800=約102万円です(教材費は週€7と案内されていますが、12週間以上での適用方法は料金表で要確認です)。12週間を超えるとマルタはビザ申請が前提になる点も、費用とは別に効いてきます。セブ側の3か月前後の総額の目安は、3〜6か月の費用とビザ延長にまとめています。期間が延びるほど、セブは長期割引とパッケージ構造が効き、マルタは滞在費と食費の積み上がりが効く、という構図は変わりません。
試算に使った「公式定価」について補足します。マルタの語学学校は、代理店経由のパッケージや期間限定の割引で申し込むケースも多く、実際の支払額は定価より下がることがあります。ただし、割引の条件は申込先と時期で変わるため、この記事では再現性のある公式定価を比較の土台にしました。他社の比較記事でマルタ側の金額がこの試算より安く出ている場合は、「授業料だけか、滞在費と食費まで含むか」を確認してください。含まれる項目が違う数字同士を比べても、判断材料にはなりません。
時期による変動の出方も違います。セブは、フィリピンの祝日に学校が休講になるのが一般的なため、祝日の多い時期に短期留学をすると、想定より授業数が減ることがあります。出発時期と祝日の重なりは、先に確認すべきポイントです。マルタは、料金そのものが季節で動きます。EC Maltaの場合、夏季(6月下旬〜8月下旬)は授業料に週€25のハイシーズン追加がかかり、滞在費もハイシーズン料金(学生アパート2人部屋で週€310)になります。同じ4週間でも、時期によってマルタ側の試算は€2,208(約39万円)から€2,668(約47万円)まで動きます。「いつ行くか」が総額に効く度合いは、マルタの方が大きいと見てください。
最後に、総額の話です。この試算の外側には、航空券・海外旅行保険・現地での生活費が両方に乗ります。マルタは移動距離が長く、現地の支出がユーロ建てになるため、この外側の部分でもセブより膨らみやすい構造です。逆に言えば、セブの費用優位は「授業料が安い」ではなく、「総額の見通しが立てやすく、膨らむ要素が少ない」点にあります。
授業と英語環境の違い
授業の形は、留学の成果の出方を左右します。セブ型の中心はマンツーマン授業です。先生を独占できるため、自分の弱点に合わせた練習ができ、黙っている時間がほぼありません。当サービスが調べた主要校の代表コースでは、マンツーマンは1日4コマ前後が標準で、これにグループ授業や自習が組み合わさります。マンツーマンとグループの違いの詳しい整理は、マンツーマン授業とグループ授業の違いをご覧ください。
マルタ型の中心はグループ授業です。代表例としてEC Maltaの一般英語20を見ると、週20レッスン(1レッスン45分、週15時間)で、クラスの人数は平均11名・最大14名と公式料金表に明記されています。1人あたりの発言量はクラスの人数で割られますが、代わりに、さまざまな国籍の学生と議論しながら学ぶ形になります。「話す量」で比べればセブ型、「多国籍な環境での実践」で比べればマルタ型、という構造の違いです。どちらが伸びるかは一概に言えず、期間と目的で選ぶのが正確です。
授業時間の総量でも比べておきます。EC Maltaの一般英語20は週15時間なので、4週間の授業時間は合計60時間です。その60時間を平均11名のクラスで受ける形になります。一方、セブの代表コース(マンツーマン1日4コマ)の場合、4週間の平日は20日あるため、マンツーマンだけで80コマが確保されます。1コマの長さは学校で異なりますが、「自分だけが話す時間」の絶対量は、マンツーマン型の方が構造的に大きくなります。逆に、グループ型には、他の学生の発言を聞くことや、意見の違う相手と英語でやり取りすること自体が練習になる面があります。総量の差と学び方の差は分けて考えてください。
コースの種類の違いにも触れておきます。マルタ側は、一般英語にレッスン数を増やした集中コース(EC Maltaでは週30レッスンの一般英語30があり、料金は週€410)や、試験対策、ビジネス英語などが、グループ授業の枠組みの中で用意されています。セブ側は、一般英語に加えて、TOEICやIELTSなどの試験対策、ビジネス英語、親子留学といった目的別の学校・コースが分かれているのが特徴です。目的が試験のスコアなら、どちらの国にも選択肢はあります。その場合は国同士の比較ではなく、「その試験のコースがあるか、マンツーマンで弱点を潰せるか」という学校単位の比較に切り替えてください。
英語環境については、誤解されやすい点を1つ。マルタの公用語はマルタ語と英語の2つで、学校の授業や申し込み手続きは英語ですが、現地の人々の日常会話ではマルタ語も使われます。「英語だけの国」ではありません。これはフィリピンも同じで、公用語は英語とフィリピノ語、セブの街中ではセブアノ語も使われます。どちらの国でも、学校の中は英語中心、学校の外は現地の言葉が混ざる、という前提で考えてください。
生徒の国籍の傾向にも違いがあります。マルタの学校はEU圏内という立地から、ヨーロッパ各地からの学生が集まりやすい環境です。セブの学校はアジア圏からの学生が中心で、国籍比率は学校ごとに差があり、公開情報で確認できる学校もあります。「日本人が少ない環境で学びたい」という希望の考え方は、学校の国籍比率の考え方にまとめています。
ビザと滞在条件の違い
フィリピン側の手続きは、学校経由で完結するのが特徴です。日本人は30日までビザなしで滞在でき、語学留学では学校を通じてSSP(特別就学許可)を取得します。30日を超える場合は、現地で滞在を延長する手続きを行います。入国条件の全体像はフィリピン留学の入国条件と持ち物、SSPや延長費用の内訳はSSP・ビザ延長など現地諸費用まとめにまとめています。フィリピン側のポイントは、長期になっても手続きの主戦場が「現地での延長」にあり、30日・59日といった境目で費用が段階的に増える形だということです。出発前に本人が大きな申請を抱えることは、通常はありません。
マルタ側は「90日」が境目です。日本人はシェンゲン圏の短期滞在として、180日間のうち最大90日までビザなしで滞在できます(他のシェンゲン圏の国での滞在日数と通算されます)。語学コースが90日以内に収まるなら、原則としてビザの手続きは不要です。一方、コースが90日を超える場合は、日本人のようなビザ免除の対象国でも、出発前に学生ビザ(長期滞在ビザ)を取得するよう案内されています(マルタ政府Identità)。申請は日本国内のビザ申請センター(VFS)経由で、コース開始の少なくとも9週間前までに行うよう案内されているため、長期留学では準備の期間そのものがセブより長くなります。申請では、入学許可証や滞在先の証明、資金の証明、医療保険の証券などの提出が求められます(Identitàの要件リスト)。「申し込んで数週間で出発」という進め方は、マルタの長期では取りにくいと考えてください。
入国時の手続きとして、EUの出入国システム(EES)が2025年10月に運用を開始しており、マルタを含むシェンゲン圏への初回入国時に、顔写真と指紋の登録が行われます。また、ETIAS(事前渡航認証)は、2026年11月9日時点ではまだ開始されておらず、開始日も発表されていません(EU公式ポータル)。開始された後は、日本人も渡航前のオンライン申請(手数料€20と定められています)が必要になる見込みです。制度は変わりやすいため、出発前にはEUとマルタ政府の公式ページで最新情報を確認してください。
現地で働けるかどうかも違います。マルタには、90日を超えるコースで学ぶ学生に限り、入国後最初の90日を過ぎれば、週20時間まで働ける制度があります。条件として、雇用主側が雇用ライセンスを取得すること、学生本人が週15時間以上の授業を受け、出席率75%以上を保つことが求められます(Identitàの学生向け就労ポリシー)。90日以内のコースでは働けません。フィリピンは、留学の滞在資格では就労できません。働く経験まで含めて設計したい場合は、留学とワーキングホリデーを組み合わせる考え方が現実的で、進め方はセブ島留学からワーキングホリデーへにまとめています。
生活・移動・気候の違い
移動の負担は、最も分かりやすい違いです。セブへは成田・関西から直行便があり、飛行時間は約5時間です(セブ島への行き方)。マルタへの直行便はなく、イスタンブールやドーハ、ローマなどを経由します。航空券検索サービスの最速表示でも、乗継1回で片道約16時間40分〜(2026年11月9日確認)です。時差も、セブは日本より1時間遅れなのに対し、マルタは7時間(夏)〜8時間(冬)遅れです。到着直後の体調管理のしやすさと、家族や友人と連絡を取りやすい時間帯の広さが変わります。
気候は「常夏」と「地中海性」の違いです。セブは年間を通して27〜30℃前後で、雨季(6〜11月)と乾季(12〜5月)があります(セブ留学のベストシーズン)。マルタは、最も寒い1月でも最高気温が16℃前後まで上がり、最も暑い8月は32℃前後、雨は秋から冬に集中します(ルカ観測所の気候平年値)。冬でも日本の冬ほど冷え込まない一方、セブのような「一年中Tシャツ」という気候でもありません。滞在時期によって、持っていく服の組み立てから変わります。
食事と生活の組み立ても、構造が違います。セブでは学校の寮に住み、食事は学校費用に含まれる寮食が基本になるため、平日の生活は「授業と食事と自習」でほぼ自動的に回ります。マルタの学生アパートは自炊が前提の設計で、買い物と調理を自分の生活リズムに組み込む必要があります。自由度が高い代わりに、生活の自己管理が留学の継続に直結します。どちらが楽かではなく、「勉強以外の生活コスト(手間)をどこまで自分で持つか」の違いとして見てください。
通貨と物価感覚も違います。セブはフィリピン・ペソ、マルタはユーロです。マルタでの生活費はユーロ建てで、円換算の負担は為替で変動します。具体的な生活費の額は滞在形態と生活の仕方で大きく変わるため、この記事では断定しません。セブ側の現地生活費の内訳は、セブ島留学の現地生活費にまとめています。
治安については、国単位の優劣で判断しないでください。どちらの国でも、滞在するエリアと行動の仕方でリスクは変わります。渡航前に外務省の海外安全情報で両国の情報を確認し、学校の立地と管理体制(門限、送迎、寮のセキュリティ)で判断するのが基本です。セブ側の具体的な注意点はセブ島留学の治安にまとめています。
週末の過ごし方も対照的です。セブの週末は、アイランドホッピングや市内観光など、島の中でのアクティビティが中心になります(セブ島の週末の過ごし方)。マルタは国自体が小さい島国で、国内の移動は短時間で済む一方、休暇の取り方次第ではヨーロッパ各地への小旅行が視野に入ります。勉強の合いの息抜きが「近場のリゾート」か「異文化の都市めぐり」か、という違いは、数か月単位の滞在では満足度に効いてきます。
マルタ側の明確な利点として、ヨーロッパへの近さがあります。マルタからは、イタリアをはじめヨーロッパ各地へ短時間のフライトで移動できるため、週末や長期休みにヨーロッパを回る滞在が組み立てられます。「留学そのもの」に加えて「ヨーロッパに滞在する経験」を取りたい人には、セブにはない価値です。逆にセブは、日本への一時帰国や、家族が様子を見に来る負担が小さい近さがあります。
タイプ別:どちらが向いているか
ここまでの違いを、選ぶ側のタイプに落とし込みます。
セブ島留学が向いている人
- 1〜12週間程度の期間で、英語を話す量を最大化したい
- 費用の総額を抑えたい(学校費用に寮と食費が含まれる構造が合う)
- 初めての留学で、移動時間と時差の負担を小さくしたい
- 英語の基礎を固めてから、ワーキングホリデーや次の国へ進みたい
- 家族との連絡や、保護者の確認がしやすい環境がよい
マルタ留学が向いている人
- ヨーロッパに滞在すること自体が、目的に含まれる
- 多国籍のクラスメイトと学ぶ環境を重視する
- 13週間以上の長期で、条件を満たせば働ける選択肢も残したい
- 費用よりも、滞在地の文化圏やヨーロッパ各地へのアクセスを優先できる
迷ったときの決め方を、順番にまとめます。第一に期間です。12週間以内なら手続きと費用の両面でセブが組み立てやすく、13週間以上ならマルタはビザを前提に設計する必要があります。第二に目的です。「英語を話せるようになること」が目的なら授業の形(マンツーマン)でセブ、「英語+ヨーロッパでの生活経験」が目的ならマルタに寄ります。第三に総額です。食費と航空券まで入れた総額で比べ、予算の上限に収まる方を選んでください。この3つを順に潰せば、感覚ではなく条件で決まります。
両方に行きたい場合は、「セブかマルタか」ではなく「どの順番で行くか」の設計になります。先にセブで英語の基礎と話す量を確保し、その後に次の国へ進む進め方を、当サイトでは2カ国留学という選択肢として別記事で解説しています。この記事は行き先の比較、その記事は順序の設計、と役割を分けていますので、両方行く前提の方はそちらもあわせてご覧ください。
なお、当サービスはセブ島留学専門のため、マルタ留学の手配は行っていません。セブ側の学校選びと、内訳つきの費用プランについては、無料相談でお渡しできます。
よくある質問
Q. セブ島留学とマルタ留学、安いのはどちらですか?
条件をそろえればセブ島留学です。4週間・一般英語コース・2人部屋で試算すると、セブは学校費用(授業料・寮費・食費込み)の目安が¥248,000〜、マルタはEC Maltaの公式料金で授業料・滞在費・諸費用の合計が€2,208(約39万円)で、しかも食費を含みません。差の主因は授業料の単価そのものより、「寮と食費が学校費用に含まれるか」という費用の構造と、滞在費の水準です。なお、セブの金額は目安であり、提携校の確定料金ではありません。
Q. マルタでは英語は通じますか?
通じます。マルタの公用語はマルタ語と英語の2つで、語学学校の授業は英語で行われます。ただし、現地の人々の日常会話ではマルタ語も使われるため、「街中の言語がすべて英語」という環境ではありません。この点は、英語とフィリピノ語が公用語のフィリピンも同じで、どちらの国も学校の外では現地の言葉が混ざります。
Q. マルタ留学にビザは必要ですか?
コースが90日以内なら、日本人はビザなしで滞在できます(シェンゲン圏の短期滞在として、180日間のうち最大90日まで。他のシェンゲン圏での滞在と通算されます)。90日を超えるコースでは、日本人も出発前に学生ビザ(長期滞在ビザ)の取得が必要と案内されています(マルタ政府Identità)。申請はビザ申請センター経由で、コース開始の少なくとも9週間前までに行うよう案内されているため、長期の場合は早めの準備が必要です。また、入国時にはEUの出入国システム(EES)による顔写真と指紋の登録があります。
Q. マルタ留学中にアルバイトはできますか?
できるのは、90日を超えるコースで学ぶ学生に限られます。入国後、最初の90日間は働けず、その後も週20時間までで、雇用主側が雇用ライセンスを取得すること、授業(週15時間以上)と出席率(75%以上)を保つことが条件です(Identitàの学生向け就労ポリシー)。90日以内のコースでは働けません。なお、フィリピン留学の滞在資格では就労はできません。
Q. セブ島留学とマルタ留学、両方に行くことはできますか?
できます。その場合は「どちらか一方を選ぶ」のではなく、「どの順番で行くか」の設計になります。先にセブで英語の基礎と話す量を確保し、その後にマルタやワーキングホリデーへ進む進め方を、当サイトでは「2カ国留学」として別記事で解説しています。この記事は行き先の比較、2カ国留学の記事は順序の設計、と役割を分けています。
Q. 迷ったときは、何から決めればいいですか?
先に決めるのは「期間」と「目的の置き方」です。期間が12週間以内で、英語を話す量と費用対効果を優先するなら、構造上はセブが有利です。13週間以上の長期で、ヨーロッパに滞在する経験そのものにも価値を置くなら、マルタが候補になります。そのうえで、授業の形(マンツーマンかグループか)と、食費まで含めた総額の2点を確認すれば、ほとんどの場合はどちらかに決まります。行き先を決めた後の学校選びや費用の内訳は、無料相談でも整理できます。
本記事のマルタ側の情報の出典:EC Malta「Price List 2026」(授業料・滞在費・クラス人数。2026年11月9日確認)、マルタ政府Identità(学生ビザの要件・学生の就労ポリシー。2026年11月9日確認)、EU公式ポータル travel-europe.europa.eu(EES・ETIASの状況。2026年11月9日確認)、マルタ(ルカ観測所)の気候平年値。為替換算は1ユーロ=約176.6円(2026年11月9日時点)。セブ側の費用・気候・フライト情報は、当サイトの各記事(費用まとめ/行き方ガイド/ベストシーズン)に基づきます。制度と料金は変更されることがあるため、申込前に各公式ページで最新情報をご確認ください。
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